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【開催レポート】アフリカで起こる「リープフロッグ」、社会課題から生まれるイノベーション!

Unchainedの第3弾イベントは、アフリカがテーマ。「社会課題から生まれるイノベーション!アフリカ・スタートアップの最新事情」と題して、日本ではまだ情報が少ないアフリカのテクノロジー動向に迫りました。

日本にも魅力のある、アフリカ・マーケット

まずは、スタートアップ・メディア「The Bridge」の創刊者で、世界のテクノロジー業界に精通したSEKAI BOX/Chief Quality Officerの池田将氏より、アフリカ全体のスタートアップ動向やエコシステムについて説明。同氏は、日本人がアフリカのスタートアップを捉える上で重要なポイントとして以下の5点を紹介。

    ①日本市場への応用
    ②日本のスタートアップにとっての市場機会
    ③リープフロッグ
    ④純投資(Next Billion Market)
    ⑤SDGs

銀行口座や水道・道路など社会インフラが未整備な途上国で、先進国の従来の発展プロセスを何段階も飛び越えて生まれる「リープフロッグ」現象が、いかに日本の市場にも適用できる可能性があるか、また日本のベンチャー企業にとってもマーケットとして捉えることができると指摘。「ラストフロンティア」として、日本企業にとっても将来の市場また投資先として十分なポテンシャルと魅力があることが強調されました。

国別で見ると、サハラ以南では南アフリカやナイジェリア、ケニアなど大陸の中では比較的先進国にあたる国に加え、現在はルワンダがスタートアップのハブとして成長しています。ルワンダは大虐殺の悲劇から「IT先進国」になることを目指しており、「Transform Africa Summit」などのテックカンファレンスも開催されるようになっています。

また、アフリカで活躍する日本人起業家も取り上げ、アフリカ現地の製造・流通業向け営業マネジメントシステム「SENRI」を提供するアフリカインキュベーター(Afri-inc)や電池のマイクロペイメントサービスを提供するWASSHAを紹介。日本とアフリカの連携の可能性が感じられました。

アフリカについて説明するSEKAI BOXの池田将氏

  

課題に挑む、新鋭スタートアップ in イースト・アフリカ

続いて、ケニアやルワンダなど東アフリカに着目し、注目のスタートアップを現地情報に詳しい日本貿易振興機構(ジェトロ)の島川博行氏に紹介してもらいました。アフリカでは全人口の8割が銀行口座を持たないため、やはり目立つのはフィンテック企業。

まずは日本でもよく知られている、ケニア発モバイル決済サービス
M-PESA」。サービス開始は2007年と早く、口座開設の簡単さと送金手数料の安さを武器に普及してきました。携帯電話さえあれば、誰でもSIMカードを使って数分で口座開設が可能で、SMSで送金も手軽。現在ケニア国内では人口の70%が利用しており、アフリカ全体で20万店舗を持つまでに拡大しています。

さらに、低所得者層が多くローンを組むのが難しいアフリカで、マイクロ・ローンサービスを提供するスタートアップ「Branch」。アフリカでは偽造や詐欺も横行するためローンを組むのはリスクの高い行為ですが、Branchは独自のアルゴリズムにより、借主の個人情報を元にリスク計算を行い、貸出可能金額を算出。リスク管理を徹底させるため、個人情報には電話帳のリスト、SMS情報、端末上の画像、動画などほぼ全ての情報が含まれており、欧州や日本では規制上不可能な借り逃げをさせない設計がされているのが特徴です。

東アフリカのスタートアップについて紹介するジェトロの島川博行氏

  

その他にも、世界中に85のブローカーネットワークを持ち、損保ジャパンも出資するビットコイン国際送金企業の「BitPesa」や、気象データをもとに自動保険金払いサービスを提供する「Killimo Salama」、ガスのマイクロペイメントサービスを提供する「KopaGas」(埼玉の電力・ガス事業会社であるサイサン出資)、物流のUberと称される「Sendy」など、現地の社会課題に密着したビジネスモデルやサービスが生まれている実情を感じ取ることができました。

日本もアフリカのイノベーションに学べる

アフリカで起こるイノベーションのキーワードのひとつとして挙げられるのが、「Decentralized(分散化)」。なぜなら、アフリカではもともと中央集権型の国家や社会システムが未整備または破綻している例が多いためです。島川氏は、Branchはかつて中央銀行が握っていた金融領域の権力を顕著に分散化している事例であり、また不安定な電気、ガス、水インフラの課題を解決するKopaGasのようなサービスは大企業からの分散化を進めていると指摘。

さらに、日本がアフリカから学べる点として、同氏は、人口過疎地域での経済特区制度の可能性について言及し、積極的に新しい仕組みやサービスを小規模でスタートさせ、技術発展と地方創生を推進できるのではないかと応えました。

会場からの質問に答える島川氏(左)、池田氏(中央)、ファシリテーター・インフォバーン小林弘人(右)

また、本人確認技術(KYC)やサイバーセキュリティの精度について、池田氏は、アフリカは積極的にイスラエルなどの先進国から技術輸入して、技術力も高水準にあると説明。一方で、このような技術導入は都市部が中心で、郊外エリアの過疎化やインフラの未整備は依然として大きな課題として残っています。そこに、ソーラー電池技術やポータブルガスサービスなどのチャンスがあり、挑戦するスタートアップも生まれていると語りました。

  

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